結核対策に9億ドルをマイクロソフトのビルゲイツ氏

ビル・ゲイツ氏、結核撲滅へ1000億円寄付
ビル・ゲイツ氏はダボスで開催の世界経済フォーラムで、結核対策のために9億ドルを拠出すると約束した。(ロイター)
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0601/28/news011.html

2006/01/28 07:48 更新

ゲイツ氏、結核対策に9億ドル拠出を表明
ビル・ゲイツ氏はダボスで開催の世界経済フォーラムで、結核対策のために9億ドルを拠出すると約束した。(ロイター)

 米Microsoft創業者のビル・ゲイツ氏は1月27日、結核対策に9億ドルを拠出すると約束した。15秒ごとに1人の命を奪っているこの病気に対抗するため310億ドルの資金を集める皮切りとなる。

 アフリカなどの貧困国では結核が危険な領域に達しており、HIV後天性免疫不全症候群)と併せて感染すると死に至る。

 「これは非常にしぶとい病気だ。民間セクター、医薬品会社、慈善団体、結核が発生している国の政府がすべて力を合わせて行動する必要がある」。ゲイツ氏はダボスで開催の世界経済フォーラムで記者団にこう語った。

 ナイジェリアのオルシェグン・オバサンジョ大統領と英国のゴードン・ブラウン財務相は世界の指導者に向けて、世界保健機関(WHO)の新しい行動計画を支持するよう訴えた。この計画では今後10年で5000万人を治療し、1400万人の死を防ぐことを目標としている。

 このプロジェクトによって、世界で結核の勢力を弱めることはできるかもしれないが、完全実施のためには今後10年で推定560億ドル(結核を封じ込むための費用470億ドルと、新薬・ワクチンの研究費90億ドル)が必要になる。これは現在のプロジェクト予算を310億ドル上回る。

 WHOのマルコス・エスピナル氏によると、薬の供給を増やすことが最初の目標となる。結核は咳やくしゃみで感染するが、大半は治療できる病気だからだ。

 毎年結核のために死亡する200万人のうち大部分が開発途上国に住んでいる。

 既存の薬品に対して耐性を持った新種の結核が出回っており、唯一利用できるワクチンがあまり効き目がないことから、新しい治療法も必須となっている。

 エスピナル氏によると、現在科学研究の成果が出始めており、結核の新薬が計27種類開発中で、ワクチン4種類が臨床試験の初期の段階にある。

 ブラウン氏は、結核対策の資金集めのため、来月モスクワで開かれるG8の財務相会合でこの問題を取り上げる意向だ。「もし2005年がコミットメントの年なら、2006年はそれを届ける年にしなくてはならない」と同氏。

 「モスクワでG8の財務相が会談するわずか数日の日程で、この具体的計画の資金のためわれわれに何ができるかという議題を乗せる理由はここにある」

 ブラウン氏はG8で、昨年合意された世界の一部最貧国に対する債務免除を延長する提案も行う意向だと語った。

 英国は26日、インドの結核対策に4170万ポンド(7443万ドル)を拠出すると約束している。



2006年1月27日
ビル・ゲイツ氏、結核撲滅へ1000億円寄付
 【ニューヨーク27日共同】ソフトウエア世界最大手、米マイクロソフト会長のビル・ゲイツ氏は27日、結核撲滅のための研究支援資金として、9億ドル(約1050億円)を寄付することを明らかにした。米紙ウォールストリート・ジャーナル電子版が同日伝えた。
 ゲイツ会長夫妻が運営する「ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ基金」が寄付する予定で、2015年までに1400万人の生命を救い、5000万人に治療を施す計画という。
 ゲイツ会長夫妻は、基金を通した慈善事業を評価され、昨年末、米誌タイムの「今年の人」に選ばれた。