高松塚古墳損傷 文化庁の隠ぺい 2002年1月

K.N.T.2004年7月、文化財
 
1972昭和47年3月21日、壁画 発見
   ↓
   ↓
1987昭和62年、文化庁内で壁画の劣化は判明していた。
   ↓
   ↓
2002平成14年1月、壁画の2カ所を損傷補修(今回発覚
   ↓
2002平成14年3月、発見30周年
   ↓
   ↓
2004平成16年6月11日『国宝 高松塚古墳壁画』写真集発刊
   ↓
2004平成16年6月20日、写真集を買った読者に白虎壁画の劣化を指摘される。
   ↓
2004平成16年6月21日、「なぜ劣化進んだか不明」高松塚壁画問題で文科省次官が発表
   ↓
2006平成18年4月12日、2002平成14年1月の損傷補修を文化庁が発表
 
発見30周年の記念写真集の撮影が決まった決まってたので、1987昭和62年判明していた壁画の劣化を隠す目的で、秘密裏に2002平成14年1月に作業してたのではないのか。

2004平成16年7月24日
古墳を守れ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040724-00000026-san-soci
高松塚壁画を守れ 「白虎」色あせ…有効な手だて見当たらず
 高松塚古墳奈良県明日香村)の極彩色壁画(国宝)のうち、石室西壁に描かれた「白虎」が“消滅”の危機にある。壁画の劣化は昭和六十二年に判明していたが、これまで積極的な公表や防止策をとらなかった文化庁に対する研究者の批判は、高まるばかり。崩落寸前のキトラ古墳(同村)壁画は、八月上旬に石室からの剥(は)ぎ取り作業が始まる。国内で二つしかない壁画古墳の保存問題が同時期に重なり、関係者の苦悩は大きい。地元の明日香村議会は今月二十六日、高松塚壁画の管理体制の徹底などを求める決議書を、河合隼雄文化庁長官に提出する。(奈良支局 小畑三秋)
■説明責任
 「三十年を経ても、壁画は大きな損傷、退色もなく保存されている」
 高松塚壁画発見三十周年を記念して刊行された報告書「文化庁監修 国宝高松塚古墳壁画」(中央公論美術出版)には、河合長官の序言が掲載されている。しかし、同書の白虎の写真は、昭和四十七年の発見時よりはるかに薄くなっていた。
 白虎の退色は、すでに六十二年刊行の報告書(同庁)で明らかになっていた。しかし当時は「壁画の剥落防止に懸命で退色まで気が回らなかった」(同庁)こともあり、大きな問題にならなかった。
 同古墳を発掘した網干善教・関西大名誉教授(考古学)は「六十二年に劣化が分かっていたのなら、その時に国民に積極的に知らせるべきだ。不都合な情報を意図的に表に出さなかったとしか思えない」と不信感を募らせる。
■手つかず
 壁画の劣化防止策を検討するには、漆喰(しっくい)や顔料の分析が必要という。成分が分からないまま保存作業をすると、使った薬品によって顔料が溶け出し、壁画が消える可能性があるからだ。
 ただし分析には壁画から顔料を削り取らなければならない。三浦定俊・東京文化財研究所協力調整官(保存科学)は「高松塚壁画は決して傷つけない、というのが発見当初からの根本方針。国宝壁画を削ってサンプルを取れば相当の批判が出ただろう」と説明。こうした理由で劣化の防止策は今もとられていない。
 国側の慎重姿勢について河上邦彦奈良県橿原考古学研究所付属博物館長は「形あるものいずれは壊れるというが、いかに長くもたせるかというのが保存科学の役割。いまだに原因特定すらできないのは、何もしなかったのと同じ」と厳しく指摘する。
■態勢見直し
 劣化原因について文化庁は発掘や保存作業によるひんぱんな人の出入り▽墳丘上の竹やぶの根腐れで盛り土がもろくなっている・・・など環境の変化を挙げる。退色は壁画発見時から徐々に進み、ここ数年のカビ発生で加速する懸念があるという。
 林温・同庁主任文化財調査官は「壁画をこれ以上悪化させないためには、石室内の環境を変えないことが第一」と説明するが、石室内の温・湿度を安定させる従来の方法ではカビは抑えきれず、限界がある。
 同庁は十月にも、石室内にカビ発生監視用のカメラを設置することを決定。しかし、根本的な対策については「みんなで知恵を絞るしかない」(保存科学の研究者)のが現状だ。
 これだけの難題でありながら、庁内の直接の担当者は、美術学芸課の調査官二人だけ。さらに、「高松塚より危ない」とされるキトラ古墳の壁画対策も新たにのしかかる。国民的歴史遺産の壁画をどう守るのか。態勢見直しも含めて、文化庁の姿勢が問われている。(産経新聞)[7月24日15時27分更新]

2006平成18年4月12日
高松塚壁画傷つけ、公表せず=4年前補修、文化庁が調査へ
 奈良県明日香村の高松塚古墳(7世紀末〜8世紀初頭築造)石室内の国宝壁画の2カ所を損傷する事故が2002年1月に起き、文化庁が公表しないまま補修していたことが12日、明らかになった。同庁は同日記者会見し、「国宝を傷つけたのは遺憾で残念」と謝罪。庁内に調査会を設置し、損傷事故の経緯など事実関係を詳しく解明した上で、当時の対応に問題がなかったか検討する方針。
 文化庁によると、02年1月28日午前、同庁などの作業員7人が石室内でカビなどの微生物を調査中、空気清浄機が転倒。西壁男子群像下のしっくい部分に長さ約8センチの傷ができた。さらに同日午後、室内灯の接触事故が起き、この男子群像の緑衣像胸部の直径約1センチ四方がはがれ落ちたという。 
時事通信) - 4月12日14時0分

高松塚古墳のカビ発生、防護服着ずに作業

高松塚古墳のカビ発生、防護服着ずに作業 01年工事
2006年04月13日06時07分
http://www.asahi.com/culture/update/0413/001.html
 奈良県明日香村の特別史跡高松塚古墳で、文化庁が01年2月に墳丘土の崩落防止工事をした際、同庁のマニュアルに反し、工事関係者が防護服を着ないで作業したことが12日、わかった。
 古墳では、同年3月に石室外に大量のカビが確認され、12月に石室内でも大量に見つかった。文化庁の担当者は、01年4月作成の作業日誌で「(マニュアル違反があった)この作業が3月の石室外のカビ発生の原因であることは間違いない」と指摘していたが、壁画の劣化原因を究明する同庁の同古墳壁画恒久保存対策検討会には「対策が不十分だった」とだけ報告していた。
 同古墳には「高松塚古墳保存修理マニュアル」がある。古墳内の定期点検や工事などの際には、搬入物はすべてアルコールで滅菌。また古墳に入る時は、体を防護服で覆って雑菌などの持ち込みを防ぐことを決めている。
 だが作業日誌は「作業者は、頻繁に出入りする必要があったためか防護服を着ておらず、一般の作業着のまま作業をしている」と書いていた。
 文化庁美術学芸課は「カビの原因は検討会で議論したが、マニュアル通りに作業しなかったことまでは触れなかった。関係者に話を聞いて作業状況を調べたい」としている。

カムフラージュ

高松塚古墳 損傷壁画の修復は無理、「剥落片」見つからず
http://www.sankei-kansai.com/a1-syakai/syakai8.htm
 奈良県明日香村の高松塚古墳(国特別史跡)で平成14年のカビ点検中に起こった国宝壁画「男子群像」の部分剥落(はくらく)で、剥落片の行方が分からなくなっていることが12日、分かった。このまま見つからなければ破損部分の修復は不可能で、文化庁は破片の有無を確認することになった。当時の担当者は破損部分を土で覆ってカムフラージュしており、剥落そのものを隠そうとしたのではないかとの批判も高まっている。
 壁画の破損は同年1月28日、カビ点検中に発生した。スタンド式の室内灯が倒れて男子群像に接触し、男子像の胸の部分約1センチが剥落。当時、剥落した周囲も亀裂が入るなど新たな剥落の危険があったことから樹脂で強化した。
 ところが剥落部分は、破損した破片を元に戻すのではなく、土をかぶせただけの処置だった。これについて文化庁は、詳しい状況は不明のままとしているが、現時点では破片がどこにあるのか全く把握していないという。そのまま剥がれたのか崩れてしまったのかも分からず、当時も破片を発見できなかった可能性もある。
 ただし土をかぶせたことによって剥落部分は見た目には確認できない状態。文化庁美術学芸課は「土をかぶせる修復方法が適切だったかどうかも含め、専門家を交えた調査委員会で検証しなければならない」としている。
 
 高松塚古墳壁画恒久保存対策検討会委員の百橋(どのはし)明穂・神戸大教授(美術史)の話 「来年予定されている石室解体は関係者だけの作業になる。今回のことを教訓に、何かあればすぐに事実を明らかにして適切な処置がとれるようにしないといけない」
(2006/4/13  8:55)