環境に優しい大豆製ディーゼル燃料〜トウモロコシ製エタノールしのぐ

2006年07月17日 19:03米国東部時間
環境に優しい大豆製ディーゼル燃料〜トウモロコシ製エタノールしのぐ
http://www.usfl.com/Daily/News/06/07/0717_014.asp
　大豆から作るバイオディーゼル燃料は、トウモロコシから作るエタノールより燃料効率が優れている上、温暖化ガスの発生量も少ないということが、ミネソタ大学とセント・オラフ大学（ミネソタ州）の研究で明らかになった。全米科学アカデミー紀要に掲載された。
　同研究によると、エタノールでは、１ガロン生産するのに必要なエネルギー量よりも１ガロンで供給できるエネルギー量が25％多いのに対し、バイオディーゼルでは93％多い。また、生産や消費時に発生する温暖化ガスの量は、エタノールは化石燃料に比べ12％少ないだけだが、バイオディーゼルは41％少ない。
　一方、生産効率はエタノールの方が高い。バイオディーゼルは１エーカーの大豆で60ガロンしか生産できないが、エタノールは１エーカーのトウモロコシで420ガロンも生産できるという。
　しかし、いずれも食料供給に影響を与えない石油の代替燃料としては期待できない。現在国内で生産されている全てのトウモロコシや大豆を使ってバイオ燃料を生産しても、ガソリン需要の12％、ディーゼル需要の６％しか賄えないからだ。また、いずれも政府による援助がなければ、小売値がガソリン価格より高くなるという欠点を持つ。
　今回の研究では、世界の食料需要が50年以内に倍増し輸送燃料の需要が拡大すると見て、食料供給に悪影響を与えずいつまでも使えるエネルギー供給が必要と考えており、「石油やガソリンに代わる可能性がある燃料は、主要な農地以外で廃棄される植物から作ることを条件に、小枝や麦わらなど安いセルロース性植物を原料とするエタノール」と結論付けている。１日に生産できるセルロース性エタノールの量はバイオディーゼルより多い。（ニューヨーク・タイムズ特約）